GOMAXのブログ

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障害VS療法士

私が、「あの患者さんの障害は強いね。勝てるかな~?」と漏らしていると、

 

それを聞いていた、新しく入ってこられた介護福祉士さんに「勝負なんですか?」と不思議そうに聞かれた。

 

「勝負です。患者さんの抱えている障害を取り除くことができるかできないかは、療法士と障害の戦いなのです。」

 

と答えると。介護士さんは驚いた表情を見せていた。

 

なるほど、介護士さんたちは障害と戦うという意識が無いんだな。と改めて納得した。

 

療法士たちは医療職であるがゆえに障害を取り除くために日々戦いを挑んでいる。

 

障害は本当に手ごわい。痛み、痺れ、麻痺、疲労、拘縮、骨変形、胸脇苦満、意欲低下、自殺願望、認知機能低下、嚥下機能低下等々様々な原因で、日常生活を阻害している。

 

患者さんの日常生活を取り戻すためには、これらの症状を抑え込んでいかなければならない。しかも、「人間」の障害である。人以外の動物とは違うのである。人は器質的変化を取り除いたらできるようになるという生き物ではない。

 

どこも、器質的変化がない状態でも、寝たきりになり、日常生活を送れなくなる。自然界においてとても稀有な動物である。

 

人の医療は、患者さん一人一人の個別性から治療方法が引き出されるのである。特に非薬物療法の場合は、患者さんのその日のコンディションで治療プログラムが変更されていく。患者さんが治療室に入ってきた瞬間から、療法士と障害の勝負は始まっているのである。

 

戦う姿勢がなければ、障害は絶対に取り去ることができない。

 

私のリハビリテーション治療において、リハビリテーションチームによる、チームアプローチは不可欠である。

 

チームの強化こそが、障害という強大な敵と戦うことができる唯一の方法だ。

 

理学療法は療法士一人でするものではない。療法士はその日その日の患者さんの状態を的確に判断し、治療プログラムを変更させていくプランナーなのである。

 

介護士さんたちはいわばリハビリテーション治療の最前線で戦う戦士たちである。

 

「戦いです。毎日が大戦(おおいくさ)ですよ。一緒に頑張りましょう!!」

 

と、私に質問してくれた介護福祉士さんの肩をポンと叩くのだった。