殺人車両
耳が聞こえにくくなってきておられる、患者さんに。
耳が聞こえにくくなってきているんじゃないですか?
と聞き、テストをするとやっぱり聞こえ辛そうだった。
私:耳鼻咽喉科行って補聴器考えてみたら?
患者さん:補聴器は持っているが聞こえ辛いんだ。壊れてんだよ。
私:修理したら?
患者さん:嫌だ
私:どうして?
患者さん:金がかかる。
何故か補聴器の調整を嫌がる人が多い。歯もそうだが、高齢者は、目、耳と歯にお金をかけたがらない。
車に関しては、固執度が高く、車、車と大騒ぎするが、目、歯、耳に関しては、極端に嫌がる。
私:車をやめたら、お金が浮くんじゃないですか?
患者さん:車はいるんだよ!!
と、ご立腹のご様子。
認知症予防で計算や字を書くのも大事だが、目、耳、歯の調整はもっと、もっと重要な認知症予防ファクターなのに、嫌がる。
認知症の診断が下りていても、運転に固執して免許の返還も嫌がる。その上、車の運転をするのに、耳も聞こえづらく、目も見えにくく、全身の踏ん張りを利かす歯も入れない。それでも、運転はすると言ってきかない。
いくら説明しても、怒るばっかりで嫌だと言い張る。
高齢者がいったん嫌だと言い出したら、もうテコでも動かない。認知症街道まっしぐら。殺人車両がまた増える。
さーどうしたものか・・・・