本人参加の戦い
今日も今日とてQ&Aのお時間です。
ご質問
メガネ屋さんに聞いた話で、補聴器ってお客さんがいかに積極的に「聞こえたい!」と思ってるかで調整の仕方や商品の進め方が違うって。家族から半ば無理やり「耳遠いから」と連れて来られた人はあかんそうです。
リハビリテーションも、本人の前向きな気持ちあるかないかでも効果違うんでしょうね
本人参加の戦いってことなんやろか。
お答えしましょう。
治療には投薬治療や手術等の治療法がありますが、これらは、受動的に「してもらう」治療法ですね。
薬は飲むだけ。手術は寝てるだけ。ほとんど努力はいりません。
しかし、リハビリテーション治療だけは、患者さんの「元の生活に近づきたい」という強い思いがなければ成立しない治療法なのです。
リハビリテーション治療は、「痛い」「しんどい」「こわい」「めんどくさい」の嫌なこと四天王から成り立っています。
つまり、嫌で嫌で仕方のない事ばかりさせられる治療法と言ってもいいでしょう。
特に高齢者は「やってもらう」ことが大好きです。受動的治療に慣れきっているので、能動的治療には積極的になれない。
リハビリ=マッサージ と言う思い込みが世間に横行しているのも、この受動的治療法が大好きな高齢者に迎合する人たちがお金儲けのためにやっているだけなんですね。つまり、日常生活動作や日常生活平行動作は増えない。
それでも、「やってもらう」ことにこの上ない喜びを感じている高齢者は、自分でできるようになる(治る)治療法よりも、自分では何もできない(治らない)リラクゼーションを選択するんですね~。なぜなら、楽だから。楽して、楽して寝たきりになる。なので、世界一の寝たきり大国なんですね~。日本は。
本人にやる気があれば、もうすでにリハビリテーション治療は8割がた終わっているといってもいいでしょう。
特に高齢者の場合は、とにかく本人にやる気がないところから、治療が出発します。
やる気を出してもらうためのアプローチから入らないと、理学療法をやらせてもらえません。
本人は基本的に「楽したい」という生物が持つ本能に忠実に生活を構築しておられます。しかし、人の生活は社会性から成り立っているので、適合しなくなってしまうのです。
「楽したい」から、「社会に戻りたい」にまず持ってくる必要があるのです。
(ここでいう社会性とは、排泄をトイレでできるとか、お風呂に入るとか人間の生活をつかさどっている活動のことも含まれているんですね~。)
なので、本人は家族に言われて無理やり連れてこられた状態がほとんどですね(笑)
本人と家族に前向きな気持ちがあれば、あっという間に障害は克服できるんですけどね~。家族も本人もあきらめている状態から始まりますからね~高齢者医療は(笑)
長い闘病生活が続くと、若い人でも社会に戻るのが怖くなってしまい。病気に固執してしまう例が多いですね。どうしても、社会に戻らなければならない理由がある人はちゃっちゃと治っちゃいますが、生活保護ももらって、もうこのままで、結構いいやって思っちゃった人は、もう治りませんね。
結論:リハビリテーション治療は本人参加型でないと成り立たない治療法なんですね~。本人が参加しない受動的治療ではもうどうにもならないところから、リハビリテーション治療は始まりますので。寝たきり状態だったとしても、「もう一度日本アルプスに昇りたい!!」ぐらいのものを持っていないと、障害は克服できないということですね。後、応援団も多い方がいい。家族や親せき、友達、恋人等々大事にしましょうね~。