GOMAXのブログ

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AIに仕事を奪われる?

「AIにとってかわられる仕事。」ってのが世間では興味の対象になっているようで、我々理学療法士業界にもそんな話がちょこちょこみられるようになってきた。

 

理学療法はAIに仕事を奪われる?

 

私個人としては、答えは否である。

 

理学療法を運動と物療と言うものに限局し、クリティカルパスに従って治療するだけであれば、理学療法士はその仕事のほとんどをAIにとってかわられるだろう。

 

しかし、われわれ理学療法士が扱っているのは、筋肉や骨、神経といった「もの」を扱っているのではない。「ひと」を扱う仕事である。

 

「ひと」であるがために、そこには感情が働く。高齢者医療で言うならば、体が動かない人の多くは、「こころ」が動いていない場合がほとんどである。

 

この「こころ」を動かさなければ、理学療法にならない。理学療法士が、運動をさせるだけの体操のお兄さんであれば、体育大学の屈強な青年にやってもらえばいいのである。

 

障害は、一つの原因で成り立っているものは少ない。骨折が認知症の原因の3位に君臨している理由を考えてみてください。

 

「骨が折れる」という物質的な変化と脳の萎縮に関連性はない。しかし、認知症になるのである。なぜか。それは、不動、無動、廃用により脳の機能が低下するからである。ひとは、「やることがなくなる」という生活的な変化に伴って体や脳を変化させるのである。

 

脳が動かなければ体は動かない。

 

廃用は一つの例だが、障害を構成している要因は骨や筋肉だけではないのだ。なので、我々理学療法士は、障害を構成している要因の一つ一つを埋めていき、障害を取り払うお仕事をしている。

 

「嫌だ」「できひん」「わからへん」「やりたくない」等々の人の感情に対して、AIは絶対に対応できない。

 

「できひん」等のネガティブアピールをそのまま「そうですか」と言って、訓練を中断してしまっては、治療にならない。

 

結果(障害を取る)ためには、この手のネガティブアピールをポジティブに変換させる技術が必要となる。AIにできますか?できないですよね~。

 

療法士以外の人々は、内的能力がいくらあっても、その能力の発揮の仕方が分からない。つまり、障害を負った体の使い方がわからないのですね。なので、精神面を動かしながら、体を動かすお仕事の人(療法士)が必要になる。

 

AIに人の心は動かせない。

 

ゆえに、理学療法士はなくならないという結論です。